見えてきたEVの未来。
2024年3月4日(月曜日)
越後一宮として古くから信仰を集めてきた彌彦神社のお膝もと弥彦村で、自動運転EV「MiCa」2台の通年運行が開始されました。もう少し先の未来と思っていた自動運転EVがこんな地方の身近で運行が始まることに大変驚きました。今回はEVの未来を多少の独断と偏見をお許しいただき、考えてみたいと思います。
環境問題の意識が高い欧州ヨーロッパ。
サンエスエンジニアリングでは工業洗浄剤総合メーカーとして45年の長きに渡り様々な分野の製品を製造販売しています。近年では環境問題意識が高まりとともに環境負荷の少ないエコ製品のラインナップが多くなっており時代の変遷を感じています。こうした問題意識の風潮はヨーロッパが発祥で、産業革命を牽引した欧州勢ならではの、未来を見通す素晴らしい提言です。日本もこうした新しい価値観で時代を切り開いていくリーダーシップは参考にすべきですね。
環境問題はガソリンエンジンだけの問題なのか?
しかしながら欧州は2035年にガソリンエンジン車の新車販売を禁止するとしてきた方針を変更し、EVシフトを世界に先駆けて進めてきたEUの政策は大きく転換しました。これは政策が近視眼的で性急すぎたのではないのかなと思います。そもそも環境問題はガソリンエンジンの排出するCO2だけの問題ではなく、増える発電の環境負荷、リチュウムイオンバッテリーの生産・廃棄の環境負荷など全体を見渡した解決策が必要なはすです。またEVにより部品点数が半分になれば、サプライチェーンの廃業から雇用問題も発生します。EVシフトは社会全体の構造変革として問題をクリアしなければ成功はしません。
本質を見極める、日本のしたたかさ。
マツダ自動車は技術資産のロータリーエンジンを発電に活用したロータリーEVステムを発表。トヨタ自動車はハイブリッドを筆頭に2023年の世界販売台数で前年比7・2%増の世界1位を記録しています。日本の自動車産業は内燃機を諦めず、ハイブリッドを諦めず、並行してEVの問題であるバッテリーの全固体電池の開発や水素燃料電池・水素内燃機の開発に余念がありません。トヨタの全方位戦略に遅れまいと日本全体で動き出している感があります。世界的なEV混迷局面の中でも確実に進めようとする「したたかさ」に日本の底力を感じます。
最後に、日本はボトムアップの国。
先週は迂闊にも涙腺が緩む場面が2つほどありました。一つはなでしこジャパンのパリ五輪出場権獲得。もう一つはNHKの「魔改造の夜」。
キックボードが自走で綱渡りするという魔法のような光景にショックを受けた視聴者も多かったのではないでしょうか。学生チームを見守る一流企業チームは、自分のことのようにハラハラし、失敗に心を痛め、成功時は笑顔で涙で心から拍手を送る。そのエンジニアの一体感たるや!こんな題材でテレビ番組が成立してしまう「ものづくり日本」の文化を垣間見た気がしました。
奇をてらったEVではなく、地方の人口減少・高齢化の問題に最新のEV自動運転で解決にあたるという心意気。誰に命令されるでもなく、まるでサッカーで攻撃に転じベースラインを一斉に押し上げる。そんな日本のボトムアップスタイルを見ている気がします。がんばれ日本!
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